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奴隷商人ライブネクスト

落日の聖女


登場人物一覧

藤沢聖美 ごく普通のコスプレ少女。愛らしい顔と少し肉付きの良い肢体を持つ。加藤真実という恋人がいる。
加藤真実 聖美の恋人。無駄のない体つきをした青年。
須藤 謎の男達のリーダー格。体格がよく、低い声で相手を威圧する。
日吉 ゴリラ並の体格を持つ。見た目通り力が強く、身体も頑丈なボディーガード。
高江洲 もと医師を目指していた男。女性の身体の構造を知り尽くし、内部から奴隷化する。
飯島 謎の男。高い知性を持つ参謀役。女言葉でしゃべる男。

第三話  調教開始

 聖美が運び込まれたのは一台の乗用車…大きなワンボックスだった。
 もし、聖美が正気を保っていたなら、その車のウィンドグラスに控えめに書かれていた文字に気がついたかも知れない。

『ライブネクスト』

 ……だが、聖美はただ運ばれていく自分の事を客観的に見ることも、抵抗することも周囲を観察することもできなかった。
 ただ、薄暗い…ウィンドグラスには遮光シールが貼ってあった…室内に連れ込まれると、改造された車の中で聖美は四つん這いになり、両手両脚を室内にある四つの柱に拘束されてしまった。
 室内のシートは全部撤去され、赤い薄暗い灯りに照らされた室内はそれとなくみだらなベッドルームのように見える。
 

「……何……するのぉ…」

 はぁはぁと熱い息の下から、聖美がかろうじて声を絞り出すと高江洲が思わず唸った。

「……へぇ、まだちゃんとしゃべれるんだ……大した精神力だな」
「…目はうつろだぜ? うわごとみたいなもんじゃないか?」
「…あのな、日吉、今まで俺が手がけてきた女を見たろ? この段階で話が出来るって事自体がすげえ事なんだよ」
「……そんなもんかね?」
「えぇ…その精神力故に、少々辛い事になるかもしれないのよ、この娘」

 最後に飯島が言い置くと、四つん這いにされた聖美の横に飯島が肘をついて横になる。
 飯島の身体はそこそこ良い身体つきをしている。筋骨隆々、とまでは言わないが腕っ節はかなり強そうである。
 だが、彼の本当の特徴はその口調にあった。オカマ言葉なのだ。
 女を「調教する対象」としか見ていない彼は、情に流されず真に冷酷に女性を調教する。
 その手から逃れ得た女性は、今までの所皆無である。そうして調教された女達は、今は彼らのグループである『ライブネクスト』の性奴隷として、高原和江が率いている。

「……あなたの名前は?」
「…ふじさわ……きよ……み」
「……住所は?」
「とうきょう……」
「東京の何処?」
「………」
「………何処?」
「……言いません」

 ふむ、と飯島がつぶやく。確かに高江洲の言うとおり、大した精神力の持ち主のようだ。
 顔立ちがやや丸く、優しげな目元から柔弱な印象を受けていたがこれはどうして、意志の強そうな眉毛の示すとおりの女性ではないか……。

「聖美ちゃん、私の質問に答えなさい…そしたら……」

 飯島の手が聖美の胸に触れる。

「あん…」

 巫女服の袂から手を入れ、下着のついていない胸を触り、乳首を探り出す。
 既にぴん、ととがった先端をつまむと、二本の指先でこりこりとこすりあげる。聖美がその度に喘ぎ声を上げ、ぽたり、と涎が車の床に垂れる。

「……ほら、気持ちいいでしょ?」
「……きもち……いい……」
「だったら、質問に答えるの。でないと止めちゃうわよ?」

 動きを一瞬止めると、聖美が切ない声を上げる。

「あはん……や、やめちゃ……」
「でしょう? だったら答えるの。住所、言いなさい?」
「………い………や……」
「強情ね…」

 今度は飯島は袴の方に手を伸ばす。裾をたくし上げ、真っ白な尻を顕わにすると高江洲と日吉がひゅう、と口笛を吹く。

「真っ白な……雪みたいな尻だな…。どれ……」
「触るんじゃないよ」

 手を伸ばした高江洲を、飯島がにらみつける。一瞬、肩をすくめた高江洲が引き下がると飯島は聖美の太股に触れる。
 既に愛液が太股を通り、膝の辺りに水たまりを作っていた。

「あらあら……凄いわね……お漏らしでもしたのかしら?」
「……」

 真っ赤になって顔を左右に振る聖美。だが、飯島はさらに容赦なく言葉を続ける。

「それとも、胸触られただけでこんなに感じちゃった? あなた、さっき気持ちいいって言ったけど…ここまで気持ちよかったなんて信じられないわ」
「………」
「それとも、もっと触って欲しいっていう期待を込めて濡らしてるの? 大事なところに指入れて、ぐちゃぐちゃにかき回して欲しいの?」
「……ち……がう……」
「あら、でも……凄いわね、あなたのひだひだ、ぱっくり開いて……中からまだあふれ出してるわよ? それに、ひくひくして……」
「いや……あん……言わない……で」
「見てご覧よ、高江洲? ほら、湯気まで立ってる……」
「へぇ…ホントだ、温泉でもひらけるんじゃねぇか?」
「触って欲しいならそう言えば幾らでも触ってやるのになぁ」

 高江洲と日吉が口々に呟き、聖美が羞恥で震えるのを楽しげに見下ろす。

「お願い……もう、隠して……恥ずかしい……」
「……だったら質問に答えなさいな」
「………いや…いやです、なんで……」

 聖美が質問に答えない訳は分かっている。もし聖美が彼らの要求の通りに質問に答えてしまえば、聖美は彼らに屈することになる。…それは、物理的に屈し、精神的に屈するという事である。
 今、この質問を拒んでいるのは、聖美の理性を保つ最後の手段なのだ。

「……なら、仕方ないわね…まだ、私達があなたにあげる物が少なかったって事ね」

 その言葉を聞くと同時に聖美の腰に奇妙なしびれが発した。その正体は聖美には分からない。
 飯島は、聖美のべちゃべちゃの秘密の場所を指先でなぞりはじめる。

「はぁあああぅっ……ダメ、ダメッ、止めて……」
「止めないわ。あなたが理性を保っているのならね……」

 つぷっ……。

 指先が聖美の秘密の場所を貫き、第一関節辺りまで潜り込む。そこは既にぱっくりと開き、ゆるゆると飯島の指を受け入れる。
 聖美は、真実以外の人間の指がそこに進入し、そして、もっとも感じやすい場所……膣内神経節、いわゆるGスポットをあっさりと探り当てるのを感じた。
 否、或いはそれは聖美の無意識の行動が指先をGスポットに導いたのかも知れない。
 いずれにせよ、飯島の指先がGスポットを探り当て、ぐりぐりと刺激しながらもう一つの指がクリトリスを転がした。
 そして、それこそが聖美の理性の壁を粉砕する鏨の一撃になった。
 腰の辺りのしびれが一瞬にしてクリトリス、膣内を駆けめぐり、脊髄を通って脳天を貫き、彼女自身を遠く遠くに昇らせる。

「はぁっ、あぁっ……ダメダメあぁあああああああああああッ!!!!」

 がっくり、と首を垂れる。ぽた、ぽた、と涎と涙が床に落ちる。
 聖美は墜ちた。

「……住所、教えてくれるわね?」
「とうきょうと……しんじゅく……く……」

 しゃくり上げながら、聖美は質問に答える。

「電話番号は?」
「彼氏はいるの?」
「今日の待ち合わせは?」
「明日はどうするの?」

 質問に答えながら、聖美は自分の自由と意思を完全に相手に握られたことを知った。
 そして、絶頂を迎えながらまだうずき続ける股間を、既に高江洲と日吉が弄っていたことも気にはならなかった。

「………須藤!」

 運転席では、須藤が高原和江にフェラチオをさせていた。
 口に含んだ男根は大きく、和江はそれを何度も何度もスライドさせながら口の中に受け入れる。

「……なんだ?」

 不機嫌な声で、背後のキャビンで聖美を調教している筈の飯島の声に答えると、飯島がただ一言、出来たわよ、とつぶやいた。
 須藤は早速和江を押しのけると、運転席の横のウォークスルーを通り、カーテンを開けてキャビンに入り込む。
 背後で和江がすすり泣く声が聞こえる。高江洲の肩をぽん、と叩くと、須藤は運転席を親指で示し、高江洲が嬉しそうにいそいそと和江の方へ歩いていくのを見送った。

「で、この巫女さんは墜ちたのか?」
「随分手こずったわよ? でも、もうめろめろになってたみたいね」
「……さすがは高江洲だな」
「えぇ、全く。で、この娘だけど、まだ油断は禁物みたいね」
「……何?」
「ほら、ご覧なさいな」

 飯島が聖美の顎を掴んであげさせる。涙と涎に汚れた顔は、それでも高貴な美しさを保っていたが、その理由はすぐに解った。
 眼だ。眼がまだ死んではいない。

「……名前は?」
「……ふじさわ……きよみ」
「住所は?」
「同じ事何度も聞かないで」

 衝撃が飯島の顔に走る。だが、須藤は楽しそうに眼に笑いを浮かべ、聖美の前髪を掴んだ。

「うあああっ……」
「面白いな…飯島が墜ちたと言いながら刃向かったヤツは初めてだ」
「……外道…ッ」
「だけど、例外はあっちゃいけない。お前はもう、ライブネクストの性奴隷として生きて貰わないといけないんだからな」
「……らいぶ……ねく……すと?」

 その単語の意味が聖美の脳裏にひっかかる。だが、聖美もともすれば再び襲ってきている快楽に流される寸前なのだ。唇の内側を噛んでその痛みでかろうじて自分を保っている。
 何故? 意地に近い物を自分の行動に感じながら、聖美は自分がこれほど頑固だとは思っていなかった。
 真実が、文句タレで我が儘で、いつも偉そうで時間にルーズなあの男の事が好きだから…、真実が悲しむ顔や拗ねる姿を見たくないから。
 そして、また真実の好きな自分が彼の前に現れて、聖美が来たのを喜んでくれる事を望むから。
 彼女は、自分を見失って性奴隷になどなるまいと誓っていた。

「……お前の眼は死んじゃいない。だが、それは眼だけだ。…顔色はお前の身体が今どんな状態なのか物語っている」
「………ッ!」

 前髪を絞り上げられ、痛みに涙をこぼしながらかろうじて声を上げるのを抑える。

「今のお前は痛みすら快楽に変えてしまう身体にされている。そうだろう? この痛みが単に痛みで終わってるか?」
「ッ!」

 聖美がおののく。前髪を捕まれる痛みが徐々に甘い感覚になろうとしているのを、聖美は必死で戒めているところなのだ。

「今なら手足を切り落としたらそれでイっちまうかもな。だが、それじゃ性奴隷として価値がなくなる」

 そう言って須藤は逸物を聖美の目の前に突き出す。半立ちの状態のそれは、先端は先ほどまで和江がなめていた唾液に濡れていた。色は黒々としており、真実のそれを見慣れた聖美にはまるで異質な物に見えた。
 その理由はもう一つあった。随所に、こぶのような物がある。それに気付いたとみた須藤が得意げに言う。

「そう、真珠だ。それも、この大きさのを6個も入れてある。……普通の女にはただ痛いだけだが…今のお前には忘れられない快楽を与えてくれる」
「……まさか……」
「そう、こいつをお前にブチ込んでやるよ。……気持ちいいぞ……一生味わっていたいぐらいにな」
「……いや……止めて下さい……止めて……」

 懇願は無視された。ゆっくりと聖美の後ろへ回る須藤は、その間聖美の白い尻に付いた精液を指ですくい取る。

「……おい、高江洲か日吉かしらねぇが、オナニーの時はティッシュくらい用意しろよ」
「こんなに白い綺麗な尻だぜ、ぶっかけなきゃ意味がねぇだろ?」
「……違いねぇ」

 須藤の側で日吉が、運転席からは高江洲が半分笑い声と共に応じる。聖美はただ、おののきながら須藤の声が側面から背後に回るのを感じ、震えはじめた。
 と同時に、その醜悪な逸物を自分の秘壺に埋め込まれた瞬間、どれほどの快楽が得られるのだろうと期待する自分の気持ちを必死で否定していた。
 恋人とのセックスに十分以上に満足していた彼女に、彼らは一体どれほど凶悪な快楽を刻み込もうとしているのだろうか?
 既にホルモンバランスが崩れ、理性が半分以上飛びかけている聖美は、同時にそそぎ込まれたヘロインによって学習効果を植え付けられていた。
 即ち、行為の際に頭の芯がしびれるような快楽が訪れること…そして、その快楽を二度と忘れることも、頭から追い払うこともできないのだと言うことを。

「……へへ、……ずるずるで……いい匂いがするぜ」

 須藤の声がとうとう、四つん這いの聖美の真後ろから聞こえた。今や尻を高く上げ、上半身は突っ伏すようになり、須藤にぱっくりと開かれた二枚貝を晒し、両脚を濡らす愛液の立てる湯気すらも感じられる様になっている。
 聖美は自分のその姿がいかにはしたない姿である事か、他の男の前でそんなはしたない姿をさらす事がどういう意味を持つのかも解っていた。
 だが、既に自分の身体を律する能力は失せていた。口元から血が滲み、床は涎と涙と血でピンク色に染まっている。

「……もう、何もしなくてもすんなり入りそうだな……淫乱め」

 ……淫乱め……。

 その言葉と共に聖美の理性の壁がついに崩れた。

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