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奴隷商人ライブネクスト

落日の聖女


登場人物一覧

藤沢聖美 ごく普通のコスプレ少女。愛らしい顔と少し肉付きの良い肢体を持つ。加藤真実という恋人がいる。
加藤真実 聖美の恋人。無駄のない体つきをした青年。
須藤 謎の男達のリーダー格。体格がよく、低い声で相手を威圧する。
日吉 ゴリラ並の体格を持つ。見た目通り力が強く、身体も頑丈なボディーガード。
高江洲 もと医師を目指していた男。女性の身体の構造を知り尽くし、内部から奴隷化する。
飯島 謎の男。高い知性を持つ参謀役。女言葉でしゃべる男。
みなみ 偶然から、真実と知り合った少女。肩の辺りに切りそろえた髪型、背の低い少女。

第六話  聖女蹂躙


 ……れろ……ちゅぷ……ぐちゅっ……。
 ……ちゃぷ……ちゅるちゅる……ちゅばっ……ちゅうっ……。
 グチュ……ぴちゃ……グチュグチュ……ぴちゃッ……。

 室内に響く淫靡な濡れた音が、ビデオカメラと車のエンジンのアイドリングの音と同じくらいのレベルで響き渡る。
 いましめを解かれ、再び自由を与えられた聖美が最初にしたことは、須藤の逸物を愛おしげにしゃぶる事だった。
 聖美は既に正常な思考能力を奪われていた。目の前に突き出された黒々とした醜悪な触手……今では彼女を至上の快楽へと導いてくれる彼女の主人……を、愛おしげにぺろぺろと舌でなめる。
 数度の射精にも関わらず、未だに堅さと熱さを保っているそれは感嘆に値する。
 須藤は聖美の頭を引き寄せ、撫でる。秘壺を弄るのはいつしか日吉ではなく飯島に替わっていた。
 つい先ほど、とうとう聖美は自分の中にある全ての情報を洗いざらい吐かされた。真実が中にいる事、彼のブースで売り子をする事。自分の親や実家の事、今は一人暮らしをして仕事は何をして……更には初恋のことや、好きな食べ物、あらゆる事を全部吐かされた。
 聖美が最後まで抵抗したのは、一日辺りのオナニーの回数だった。だが、既に聖美はそれすらも吐いてしまった。その時に何を想像し、何を想ってするのかも……。

「あぅん……ッ」

 飯島がぐちゅり、とすでにずるずるになった聖美の秘壺に指を差し入れる。その動きに応じて腰がぐい、とうねり、白い尻はまるで誘うように震える。

「……良いわね……もうすっかり、馴染んだみたいね」
「……そうだな……。おい、聖美……飲め」
「……んっ……」

 須藤が命じると、聖美は言われるままに口の中に須藤の逸物を導き入れる。ごつごつした感触を味わいながら、言われたことを忠実に実行し、須藤の逸物からまだ濃い精液をあふれさせ、射精の瞬間には裏筋を舐めあげてのどの奥に濃い精液を流し込む。

「んぐ……んぐっ、ごくん……ごくっ……」
「……巧くなったぞ、聖美。立派な奴隷になれるぞ」
「あ……んっ……ありあとう……ご…らい……ます……」
「……今度は俺の穴をなめて貰おうか」
「………」

 その言葉にも聖美は従った。須藤のズボンを震える手で降ろす。両手はすっかりべとべとの精液にまみれていたが、これは日吉が彼女に手淫を強要したからである。その日吉はすでに寝ている。
 ズボンを降ろしきると、須藤はごろり、とうつぶせになる。その尻に顔を近付けると、両手で尻肉をかき分け、その奥にある毛に覆われた穴を舌先でちろちろと舐める。
 舌先をびりびりした刺激が走るが、聖美はそれを止めることは出来なかった。既に身体に刻み込まれた快楽と恐怖とが、彼女の身体の手綱を彼女以外の人間に携える事を強要してしまった。

 17時も近くなり、車の外は帰る者達で一杯だった。と、車に近づいてくる一人の人影が、助手席に座る飯島に近づいてくる。窓をこんこん、と叩くと飯島は手動で窓を開ける。
 鼻を真っ赤にした、眼鏡をかけた神経質そうな男が赤い部分をさすりながら報告した。

「……どうやら、加藤真実ってヤツはまだ中に居るみたいです。その女が帰ってこないと動きそうにないです……」
「……そう……。さすが恋人想いね。……解ったわ。ご苦労様」
「はい……それで……」
「あぁ……」

 飯島が財布から万札を一枚取り出して男に渡す。男はへこへこと礼を言いながら立ち去る。
 既に聖美に抵抗の気力はない。時計の針が16時を回ったが、イベントの終了は17時である。そろそろ、聖美を解放する潮時であるかに思えた。
 飯島は、助手席を和江に任せると、そのままウォークスルーを通って後ろのキャビンへと向かった。

 …須藤は、聖美に身体中のあらゆる場所を舌先で奉仕させていた。寝そべった須藤が示す場所に舌を運び、その可憐な舌の表面でこする。かゆい場所も手ではなく舌先で掻かせる。
 聖美は既に須藤の奴隷であり、その身体はいかなる場所も彼の思い通りに動かなくてはならなかった……そして、いずれは心さえも。

「すっかりお気に入りのようね、須藤ちゃん」
「見ての通りさ。すっかりおとなしくなったろ?」
「そうね。追加の薬は…一応入れておく?」
「あぁ……時間もそろそろ、だしな。彼氏の方はどうなってる?」
「まだ中にいるわ。待ってるみていね。……あっちもちゃんと処理しないと…ね」
「あぁ……」

 彼氏、という言葉に聖美は僅かにぴくん、と反応した。それは、真実の事を意味するのだが…今のこの姿を真実に知られたらどうなるだろう……。
 そう考えようとしても、下半身から猛烈な疼きが聖美を追い上げ続ける。この疼きと乾きを癒すためにはご主人様に……須藤様にご奉仕しなければならない。全てはそれが最優先である…。

「……よし、いいぞ、聖美……楽にしろ」
「……あ……ありがとう…ございます……」

 聖美が須藤から離れる。飯島がニヤリ、と意地悪な笑いを閃かすと、聖美に命じる。

「……お座り、聖美」
「………ッ」

 羞恥に顔を赤くした聖美は、それでも股をM字に開き、犬のお座りのポーズをする。ズキンズキンとうずく股間からは、命令に従った事に対する褒美を求めて止めどなく汁があふれてくる。

「良いわねぇ…ハードにしすぎたかと思ったけど、知性もちゃんと残して……理想的な奴隷が出来そうね」
「あぁ……。そろそろ、一度放し飼いにしてやろう。また明日、ここへ来るんだぞ」
「………はい……ありがとう……ございます、聖美を放し飼いにして下さって、ありがとうございます………」

 はぁ、はぁ……。
 ぽたり……じゅるり………。

 息が荒くなり、愛液の量が増え、口元から涎が垂れる。

「じゃ、そろそろ追加を入れて返しましょうか。……日吉……起きなさいな」

 そう言うと、飯島は寝ている日吉の頭をがん、と蹴った。

「んあ……なんだ、飯島さんかよ……」
「なんだじゃないわ。ほら、この巫女さん、もう一度繋いで」
「えぇ? もう完全に墜ちたんじゃないのかよぉ……」
「えぇ……そりゃ、私達によってたかって5時間も責め続けられちゃ……墜ちなけりゃ気が変になってるわよ。でも、今は洗脳の時間よ」
「……ほぉ……じゃあ、この巫女さんはレギュラーメンバー入りかい?」
「そうよ。……さ、繋ぐわよ、聖美……解ってるわね?」

 飯島の声を聞くと聖美は従順に言われたとおりの格好をする。四つん這いになり、両手は大きく広げてロールバーに当てる。両脚も膝を立て、膝から先を開いて同じようにロールバーの支柱に当てる。

「……へぇ……こりゃまた…すっかり調教出来ましたね」
「……ま、ね。さ、早く繋いじゃいなさい」

 日吉が革製の拘束具を用意すると、聖美の手足を開いた状態で支柱に固定する。
 聖美は四つん這いになり手足を開かれ、尻を高く上げて上体を突っ伏した姿勢になる。
 飯島は、そんな聖美の耳にヘッドフォンを取り付ける。マイクを手にすると、須藤と日吉、そして戻ってきた高江洲がそれぞれ聖美の身体にとりついた。
 高江洲はため息をついた。清楚な巫女服の似合う雰囲気の聖美は、すっかり調教され尽くしたのだろう。柱に繋がれ、尻を高く上げた状態で、腰をくねくねと揺すっている。
 胸元を床に擦り付け、乳首から得られる快楽を得ようとして不満の声を上げる。

「はぅん……もっと……もっとぉ……頂戴……あぉ……あふん……」
「……こりゃ……徹底的にやりましたねぇ……壊れてませんか?」
「眼を見て見ろ」

 須藤に言われた高江洲が聖美の顔を掴んで眼を見る。濁り、光を失った眼が高江洲に向けられると、こびるような吐息が漏れる。

「………ん……はぁ……」

 聖美が舌を出す。口を開くと精液が流し込まれ続けてにちゃついた唾液がこぼれる。
 すっかり理性は崩壊し、既に本能も暴走し尽くして疲れ切っているかに見える。
 初めて高江洲が聖美を見たときに比べると、それはあまりにも無惨な変わり様だった。
 清楚な聖女の様な女性だった聖美は、今や奴隷の中でも最下級の、肉奴隷となり果てたかに思える。

「……壊れてるみたいに見えますが……?」
「いや……それでもな……しっかり抵抗するんだよ……いいか……」

 須藤が飯島からマイクを受け取り、聖美の耳…と言うよりは、鼓膜を通じて直接脳に語りかける。

「……聖美……今からお前の中にたっぷり出してやるぞ」
「………!? い、イヤッ……それだけは……それだけは許してッ!!」
「……!!」

 高江洲の手を振りきると、聖美は目を閉じて激しくいやいやをする。高江洲は振り切られた手を眺めて些か呆れ気味に嘆息する。

「こりゃ凄いッスね……。まだちゃんと理性は残ってるんだ……」
「半端じゃなく強い女だよ…。ホント、こいつだけは俺専用の奴隷に仕立て上げたいね」
「それは今じゃなくってよ。さ、貸して」

 飯島がマイクを手に取り、高江洲は例の鞄からガラス管とチューブを取り出す。
 聖美の高く上げられた尻の間にある、ぱっくりと開いた二枚貝にガラス管を宛うと、全く抵抗を受けずにするすると中へと入っていく。

「うあぁんッ……はぁっ……はぅっ……」

 聖美の腰が蠢き、胸を床に擦り付ける動きが強くなる。まるでそれは、掴まれたうなぎがヌメヌメと動き回る様に似ていた。高江洲は半ば失望し、半ば須藤達の調教技術に感嘆しながら、事務的な手つきで聖美の子宮の中に、新たなホルモン剤と麻薬の化合物を注入する。

「うふぁああっ……はひぃ……中が……中にあふれてきて……はぁああッ……ダメ……お願い……中だけは許して……あぁっ……」
「意識混濁まで起きてるな。……ま、暗示をかけるには好都合か」

 高江洲がガラス管を引き抜く。ヌポッ、と音がして、更に二枚貝の奥の泉から大量の愛液があふれ出る。聖美の腰がぶるッ、と震え、尻はふるふるとおののく。
 上の口と下の口から大量の涎を垂らしながら、聖美は新たな薬剤を受け入れた。身体の奥に埋め込まれたホルモンと麻薬が、既に鬱血状態にある下半身から一気に体内に取り込まれていく。

「……はあぁぁぁ…ぁ……ぁぁ………い……いい………いいのぉ……凄く……ずきずきして……うずくの……ステキ……私、飛んでる……」

 高江洲が合図すると、飯島は頷いてマイクに口を近付けた。

「さぁ、聖美ちゃん…あなたは今から私達の指令を受けるの。私達の言うとおりに動くの……良いわね?」
「……………」

 須藤の手が伸びると聖美の秘壺に指をつぷっ、と挿入する。聖美がひくん、と反応すると、飯島が言葉を続ける。

「あなたは先ず、今から彼氏の所に戻るの。そして…明日は私達のサークルで売り子をする約束をしたと話するの。良いわね?」

 ぐちゅぐちゅ……ぐちゅっ!!
 飯島が指をかき回すと、聖美の吐息が一瞬止まり、はぁあぁあっ、と大きく吐き出される。

「……はい……」

 震える声が、聖美の口元からこぼれる。言葉と共に泡の混じった涎がこぼれる。眼は既に悦ぶ女の目になっており、須藤の指の動きに逢わせて腰がぐねぐねと艶めかしく動く。

「それから………」

 飯島が自ら描いたシナリオを聖美の脳へと刻み込んでいく。
 その度に、聖美の口からは「はい」という言葉のみが出される。
 多くの肉奴隷達は、こうやって暗示をかけられ、日常生活へと戻っていく。
 心理的陥穽…とでも言おうか、これらの暗示がある限り、自分たちの実態を他人に知られる事を拒み、同時にこのグループ…ライブネクストの一員として、心に首輪をかけられてしまうのだ。
 心理学と精神医学に精通する、飯島の特技でもあった。

 ………………。

「……結局来なかったのかなぁ……聖美、相当怒ってるんだろうな……」

 心細そうにつぶやく真実。隣のみなみはと言えば……。

「………くー……」

 すっかり寝ていた。
 もはや売り子とかそんな問題ではない。12月ともなれば外は真っ暗で、多くのサークルは店じまいをしてしまっている。だが、真実の方は最終まで居残らなくてはならない。
 何しろ聖美が来てくれる可能性はあるのだから。

「………む……しかたねぇな……取り合えず片づけだけでも……」

 そう考えて腰を上げたとき、その姿が真実の目に入った。

「……あ、聖美!!」
「……………」

 聖美は無言のまま、真実の前に歩み寄る。ついさっきシャワーを浴びたばかりのような、シャンプーリンスの匂いがほのかに漂ってくる。
 現に、聖美は更衣室の側にあるシャワーを使ったのだ。身体に刻み込まれた暗示の、いわばプログラムされた行動の一環だった。
 紺色のジャンパースカート、アイボリーのタートルネックセーター。そして、灰色のコートを着た彼女はいつもとなんら変わりない姿に見える。

「……ゴメン……俺、めっちゃ遅くなって……その、……悪かった……」
「いいの。……私こそ遅くなってゴメンね、真実…」

 聖美はうつむいたまま真実に言葉を告げる。とても彼の顔を正視出来る状態ではない。
 真実はいつも言い訳はしない。ただ謝罪の言葉を繰り返すだけだ。

「……すまない……この通りだ!」

 不意に聖美の視界に真実の後頭部が飛び込んでくる。うつむいている聖美の前に、真実が土下座をしたのだ。
 あわてて聖美がしゃがみ込み、真実の肩に手を置いて立ち上がるように促す。

「私、そんなコトして欲しい訳じゃない…それに、今日は私、怒ったりしてないよ」
「…………聖美……」
「私の方こそゴメンなさい…こんな時間じゃ、売り子の意味ないよね…」
「……コスは……どうしたの?」
「うん、……しまっちゃった……ゴメンね、見て貰えなくてちょっと残念だよ」
「……そうだな……」

 聖美には言えるはずもなかった。自分がどんな目に遭い、そのコスチュームがどんな運命を聖美と共にしたのか。今やそれは精液と愛液の匂いにまみれて鞄のなかに押し込められていた。
 何処も破られたり傷つけられたりしていないのがせめてもの救いだった。

「……あのね、真実……」

 言いにくいこと。こう言えば真実は必ず哀しそうな顔をして、拗ねて、そっぽを向いてしまう。……だから、普段は言いにくいことは言わないようにしている。
 なのに、飯島に仕掛けられた暗示が、聖美の口から言いたくない言葉を強制的に絞り出そうとする。

「……明日ね、私、友達の所のサークルの売り子さん、しなきゃいけないの……」
「……明日、一緒に回るって言う話じゃなかったっけ?」
「ゴメン……お願い、わかって……」

 真実は暫く聖美を眺めた。彼は、決して聖美との付き合い自体が長いわけではない。だが、聖美の全てを知り、聖美の全てを愛している彼は彼女の行動に何かしら違和感を感じた。
 その違和感は、決して今の彼女に無理を強いてはならないと、本能的な感覚……もっと単純に言えば『勘』によって感じていた。

「……解った。じゃあ、明日は俺はそこに顔出すよ。何処?」
「ご、ゴメン……それはダメッ!!」

 それは飯島の暗示にはない行動だった。彼女は、自分がそこでどんな目に遭わされるかを何となく予知していた。だから、そんな姿は決して見せたくはない……聖美が切に願おうとした時、不意に聖美の口は意思とは違う言葉を吐き出した。

「……外周、○−XXって所……来てね」
「??」

 つじつまの合わないことを口走る聖美に対して怪訝な顔をする真実。聖美は、自分にかけられた暗示の深さを思い知り、恐怖を顔に張り付かせると何も言わずに背を向けた。

「き、聖美……っ!」
「………真実………」

 一瞬、真実の声に足が止まる。真実は、今は真剣な顔つきで聖美を見ている。

「……聖美、一体何が……」
「真実、信じてて……私はあなたのことが好き。大好き。だから…何があってもあなたの所に帰るから……だから、少しの間……あぅっ!!」

 言葉をつなげようとする聖美は、股間とその奥から、急激な疼きが襲いかかってくるのを感じた。飯島の暗示は、聖美が暗示にない行動をとり続けると正常な判断を狂わせるため、性衝動を起こす様になっていたのだ。

「……真実……愛してる! だから……今はゴメンなさいっ!!」

 最後にそう言い残すと、聖美は後ろも見ずに走り去っていった。真実は、ただその背中を見送りながら何が起こっているのかを怪訝に思い……隣のみなみが目を開けてその様子を見ている事には気付かなかった。

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